Ginza Sony Parkのグランドオープンに至るまで、約12年間にわたる思索と実践の記録

コンクリートの構造物の上に自立するグレーの書籍。表紙と背表紙に「Document of Ginza Sony Park Project」と書かれており、背景にはぼやけたビルの屋内空間が写っている。

ソニービルを建て替えるべきか否か。売却、リノベーション、建て替え——あらゆる可能性をフラットに捉え、「ソニーとは何か」という根本的な問いに向き合うことから、このプロジェクトははじまりました。そこから、Ginza Sony Parkのグランドオープンに至るまで約12年。この書籍は、そのすべての軌跡を記録したドキュメントです。

ソニービルの歴史、銀座という都市の歩みをさかのぼり、創業者や設計者が何を思い、何を未来に託したのかを丁寧に読み解く。そして、すぐには建てず、解体途中の建物を街にひらく。さらには、街にひらいた「場」で多様なアクティビティを自分たちの手で実践し、その試行錯誤を通して得られた知見をベースに、新たな「場」を設計する。これらは通常の建て替えプロセスでは考えられない試みでした。

そんな常識外れで一見遠回りにも思えるプロセスを選んだのは、「ユニークであること」「人のやらないことをやる」というソニーの精神を体現するためでした。そして、創業者の盛田昭夫とソニービル設計者の芦原義信氏が提唱した「街に開かれた施設」という思想を継承し、さらにいまの時代に合った「場」に進化させるためでもあります。

両手で持たれた書籍の見開きページ。コンクリート造りのGinza Sony Parkの内部や階段を行き交う人々の写真が掲載されており、右下には日本語と英語の説明文がある。

決して答えを急がず、ソニーの精神、ソニービルの思想をぶらさずに、時間をかけて議論と実践を繰り返す。そうすることで見えてきた、ひとつの答えが「Ginza Sony Park」でした。

この12年にもおよぶプロジェクトの長い道のりのなかで、私たちの指針となったのは、創業者の盛田さんや設計者の芦原さんの思いや意図が記録された多くの資料や図面でした。迷ったとき、悩んだとき、私たちはいつもそこに立ち戻ることで、挑戦する勇気をもらってきました。

Ginza Sony Parkは、盛田さんと芦原さんという二人の思想との、時代を超えた対話の上に成り立っています。このお二人の思想を、私たちと同じように50年後また建て替えに向き合うであろう次世代の人々にも継承したい。そんな思いから、私たちの取り組みを一冊の書籍にまとめました。

いつか誰かにとって立ち戻れる場所になることを願って。

永野大輔
Ginza Sony Park Project 主宰・ソニー企業株式会社 代表取締役社長 Ginza Sony Park Project 主宰
ソニー企業株式会社 代表取締役社長

Photo by Mayuko Hirata (Nippon Design Center)

  • 書籍の見開きページ。旧ソニービルの屋上から取り外された巨大な「SONY」のネオンサインのアルファベット文字が、解体現場の床やエレベーターシャフト跡に仮置きされている写真と解説文。
  • 書籍の見開きページ。Ginza Sony Park バージョンフラットの時代の地上階を上空から見下ろした写真。ウッドデッキの広場にキッチンカーが停まり、多くの人々がベンチに座ったり歩いたりしている。
  • 書籍の見開きページ。Ginza Sony Parkの設計・検討段階における、地上エントランス付近や周辺の街並みを含めた外観のパース(建築スケッチ・透視図)と、それに関する詳細な解説テキスト。
  • 書籍の見開きページ。ビルの地下解体工事の様子をとらえた写真。左は地下空間から四角く切り取られた青空を見上げた構図、右はクレーン車が稼働する工事現場を俯瞰した構図。下部には夜間の歩道改修の写真。
  • 書籍の見開きページ。建物の構造を詳細に描いた建築図面。左側には建物の垂直断面図、右側には地下3階から地上5階までの各階ごとの平面図が精密な線画でレイアウトされている。
  • 書籍の見開きページ。Ginza Sony Parkの吹き抜け空間や階段、それを行き交う人々の写真。左は上から見下ろした構図、右は階段から銀座の交差点方向を見渡した構図で、解説文が添えられている。
グレーのシンプルな表紙の書籍。中央上部に黒と白の文字で「Document of Ginza Sony Park Project」とタイトルが印刷されており、左側から白と黒の2本のしおり紐が出ている。
Photo by Mayuko Hirata (Nippon Design Center)

Document of Ginza Sony Park Project

Ginza Sony Parkのグランドオープンに至るまで、約12年間にわたる思索と実践の記録——

2025年1月26日、銀座・数寄屋橋交差点の一角にGinza Sony Parkがグランドオープンしました。なぜソニーは、この地に「公園」をつくったのか。本ドキュメントでは、ソニービル建て替えに至る意思決定の軌跡から、解体途中の建物を街にひらく実験、そこから導き出された設計思想と施工、そしてグランドオープンまで——約12年間にわたる思索と実践を記録しました。

これは、一つの建築の物語であると同時に、「ユニークであること」「人のやらないことをやる」というソニーの精神を、いまの時代にどう宿らせるか。その問いに向き合い続けた挑戦の記録でもあります。

発行
ソニー企業株式会社
発売日
2026年7月3日(金)
定価
14,300円(13,000円+税)
ISBN
978-4-86867-000-1
サイズ
217 × 263 × 33 mm / ハードカバー
ページ
400ページ
販売場所
Ginza Sony Park 地下3階、バリューブックス(オンライン)ほか