ソニービルを建て替えるべきか否か。売却、リノベーション、建て替え——あらゆる可能性をフラットに捉え、「ソニーとは何か」という根本的な問いに向き合うことから、このプロジェクトははじまりました。そこから、Ginza Sony Parkのグランドオープンに至るまで約12年。この書籍は、そのすべての軌跡を記録したドキュメントです。
ソニービルの歴史、銀座という都市の歩みをさかのぼり、創業者や設計者が何を思い、何を未来に託したのかを丁寧に読み解く。そして、すぐには建てず、解体途中の建物を街にひらく。さらには、街にひらいた「場」で多様なアクティビティを自分たちの手で実践し、その試行錯誤を通して得られた知見をベースに、新たな「場」を設計する。これらは通常の建て替えプロセスでは考えられない試みでした。
そんな常識外れで一見遠回りにも思えるプロセスを選んだのは、「ユニークであること」「人のやらないことをやる」というソニーの精神を体現するためでした。そして、創業者の盛田昭夫とソニービル設計者の芦原義信氏が提唱した「街に開かれた施設」という思想を継承し、さらにいまの時代に合った「場」に進化させるためでもあります。











